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おすすめ度:★★★
自己満足度:★★★★
さて、ただいまより7冊更新して、お好み焼き「ちか」に飲みにいってくる。だからかなり適当です。
西洋対東洋、というか、西洋対日本を論じるにあたって、その立脚点を”食”に求めたユニークな本。
肉食という食生活が、西洋の思想の根本にあることが浮き彫りになると同時に、日本が日本足り得たのは、肉食ではなかったからなのだなと考えさせらえる。
以下本書より引用。
あるとき大勢の会食で、血だらけの豚の頭がでたが、さすがにフォークをすすめかねて、私はいった。
「どうもこういうものは残酷だなあ」
一人のお嬢さんが答えた。
「あら、だって、牛や豚は人間に食べられるために神様がつくってくださったのだわ」
~中略~
「日本人はむかしから生物を憐れみました。小鳥くらいなら、頭からかじることはあるけれども」
こういうと、今度は一せいに怖れといかりの叫びがあがった。
「まあ、小鳥を! あんなにやさしい可愛らしいものを食べるなんて、なんという残酷な国民でしょう!」
私は弁解の言葉に窮した。これは、比較宗教思想史の材料になるかもしれない。
引用終わり。
予想以上におもしろかった。わたしの中ではかなりの良書。こういう本をおもしろいと思える神経を死ぬまで持ち続けたいと思ふ。