ボヴァリー夫人 (フローベール/新潮社) 2014.03.07 by 新宅 睦仁 (現代美術家/WEBデザイナー) 評価: この記事は約0分22秒で読めますエマの罪深さも尋常ではないが、シャルルの善良さこそ見るべきことのように思われる。 「シャルルの欠点は“そこにいる”ことだ」というのは、まったく興味深い指摘。【なんら積極的なものをもたず、ただそこにあるといった存在そのものの愚劣さ、たえがたさ】 そう考えると、見栄にしろ、虚勢にしろ、そのもの以上に見せかける、または見える、というのは、あるいは想像以上に重要なことなのかもしれない。結局は凡庸にすぎない、無味乾燥な全ての人間の心ばかりの味付けとして。