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万物の霊長たる人間は複雑怪奇な存在です。ゆえに一筋縄ではいかず、簡単にコントロールできるものではありません。と思ったら大間違いで、むしろ単純明快な馬鹿者なのであります。
なお、本記事は株式会社サイアンド様主催のアドベントカレンダー『鬼滅のリモートワークで病まないコツ【SAI&の呼吸】 Advent Calendar 2020』への寄稿として執筆いたしました。
孤独な在宅アラフォーやもめ
2020年の初頭、中国武漢に端を発したコロナウイルスのパンデミックの影響により、私は米国ロサンゼルスで数ヶ月に渡る自宅謹慎よろしく、在宅勤務を経験いたしました。彼の地で家族も友人知人もいなかった私にとって、それはただただ孤独との戦いでした。
私のシゴト
ちなみに私はWEBデザイナーであり、テレワークに不便はなかったと言えばなかったのですが、テレであることに違いはなく、日々是テレ。
テレとはテレビやテレフォンと同じく「遠く、遠隔の」という意味の英語の接頭辞なのですが、そのくせ英語では単純に「work from home」と言います。
まあ、元を辿ればギリシャ語の「tele(遠く)」に行き着くわけなのですが、最近は右も左もZoomでテレがワークで在宅が勤務でリモートと見せかけてやっぱりワークはワークでそれなりに大変ナーノであります(SEO対策です)。
真顔でどんどん老けてゆく
一日が24時間であり、眠る時間が8時間であるとすれば、起きている時間は必然的に16時間ほどになります。ある日、その活動時間のほとんどを、私は真顔で過ごしていることに気がつきました。
アメリカのトイレはバスルームでもあるため、必ず鏡があります。そこで用を足すたびに、私は自分の顔の、いかにも不機嫌そうなしかめっ面に危機感を抱いたのでした。
無理して笑えば自然に上がるテンション
これはいかんと慌てた私は、やぶれかぶれで、ひとり、ニコッと笑ってみたのです。
いえ、現実はアラフォーのおっさんの笑顔でありますから、「ニタッ」、もしくは「ドロッ」などという擬音の方がふさわしいのではありますが、とにかくは、笑ってみたのです。
すると、なんということでしょう。そこはかとなく楽しい気持ちになってしまうではありませんか。
アクションに気持ちがついてくる
人はしばしばやる気が出ないと言います。しかし物の本によりますと、人間はやる気があるから行動を起こすのではなく、ある行動の後にやる気がついてくるというのです。
これはかのフランスのことわざにもありまして、「食欲は食べるにつれて出てくる」と言われます。実際その通りで、「食欲がない」とか言いながら、食べるうちにだんだん食欲が出てきて食べ過ぎてしまうのが人間というものなのです。
やってみてから考えよう
これは真理なのです。「人間は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」のです。
とりあえず、騙されたと思って笑ってください。今すぐ、さあ、笑って。たとえいま電車の中だとしても、笑うのです。てめえ、こら、笑わんかい。
ほら、なんだか楽しくなってきたでしょう? 「顔の筋肉が笑顔の状態になると、我々の脳は楽しいと認識してしまう」のです。つまり、現実には家庭は不和でお金もなく、お先真っ暗いつ死んでもいいというクソ面白くもない状態にも関わらず、哀れにも我らが脳みそは、楽しい! 楽しい! と勘違いしてしまうのであります。
不快も快感も脳ひとつ
結論、「楽しい毎日を送るためには、とにもかくにも脳をだますこと、これに尽きる」わけであります。
そうとわかれば、全国津々浦々の老若男女は、今すぐニッコリ、ケツの穴ほども面白くもない孤独な日々を、無理やりニコニコ笑って脳をごまかし、空虚な人生をスッキリ無色透明に彩って、大見得でも切ってポックリ逝ってみせようではありませんか。