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人はアートとかデザインのことになると、やたらセンスという神がかり的な言葉を使う。そして二言目には、私にはセンスがないから云々という。
デザインは読み書きそろばんと同じ
学びもしないのに、読み書きそろばん(現代ならパソコン)ができる人はいない。それは本当に、古今東西の偉人とて同じであって、習熟度の早い遅いはあれど、人間は学ばなければ何ひとつできない生き物なのだ。
生まれたら、あとは勝手に立ったり飛んだりする鳥や動物ではないのである。
色に意味を持たせること。例えば青と赤は色相環で離れた色なので「別のもの」として見えやすく、逆に緑と黄緑は近似色なので「関連したものに見えます。」
このような知識を100持っている人と、0の人。デザインさせたらどんなものができるだろうか。ひとつ言えるのは、どんなにヘタで才能のかけらもなくても、絶対に同じクオリティにはならないということである。
本書は豊富な図解付きで説明されているので、ここでもいくつか紹介すべきだろうが、あえて載せない。少しでも興味を持たれた方は買うべきだ。絶対に損はしないことだけは保証する。が、べつになにかの縁故、利害関係があって言うのではない。本当にそう思うから言っている。
理解ある優しいお客はいない
ものを作る側の人間というのは、しばしば傲慢である。何の根拠もなく、みんなわかってくれるだろうと勝手に思い込む。あなたの妻でも母でもあなたの考えていることなんか10分の1も知らないのに、他人には自分の分身か何かのように想定して平気なのである。
「疑問点は問い合わせてくくればいい」という心構えは不親切です。疑問が多ければ「わからないからもういいや」で終わってしまうと思いましょう。
感覚の危うさ、脆さ
感覚はしばしば頼りない。もちろん、極限状況における身の危険のような「感覚」は、何より頼れるものである。しかし、たとえば黒か白かの色を選ぼうとする時、いくらセンスのある人でも前提条件なしに最適解は導き出せない。
写真とイラストのどちらが適切かは、画像を使う目的によって変わってきます。商品のアピールや、イベント風景や場所、人物の紹介など、リアルに物事を伝えたいときには、写真を使ったほうが信ぴょう性が高まります。一方イラストは、顔写真を似顔絵イラストにするとフレンドリーな印象になるように、親近感を出したいときや、物事を単純化して見せるときに使うと効果的です。
結婚式に黒を選ぶことはなく、葬式に白を選ぶこともない。なんだ、そんなことは当たり前ではないかと笑う人もあろう。しかしその常識を、あなたは確かに勉強してきたのである。デザインはセンスであって学ぶものではないという人は、それはもちろん非常識だから、恥をかくしかないだろう。