WEBデザインの見積りについて

見積もりのイメージとしての電卓と書類の画像

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フリーランスのWEBデザイナーとして働きはじめて一月あまり。

至って人には恵まれているので、これといって辛いことはない。会社員時代に比べれば100万倍は幸福で楽しい。しかし、ひとつだけ悩みを打ち明けたい。表題の見積もりである。

その見積もりはぼったくり?

ほとんどの場合、ぼったくりではない。そう感じてしまうのは、WEBデザインという仕事の性質による所が大きい。たとえばナスの一本であれば、高くても100円かそこらで、仮に1000円の値がついていればどう考えてもおかしいと誰でもわかる。

しかしWEBデザインは違う。ある人は頭を垂れて1万円と言うところを、ある人は10万円とうそぶいて飄々としている。そこで難しいのは、どちらもその人や会社にとっては適正価格を提示しているということだ。

もちろん、中には悪どいボッタクリというのもある。しかしこの世には善人の方が多いのと同様、大半の人や業者は善良に違いない。では、その天と地ほども違う価格差はいったい何なのか。

要因はさまざまあるが、技術力、提案力、サービス内容、アフターフォローの有無、あるいは発注先と発注元との力関係ということもあろう。

見積もりの仕組み

WEBデザインには、大きく分けて二種類の見積もり方がある。「ページ単価」か「時間単価」かである。つまり、1ページあたり○円で計算するか、そのページを作るのにかかる時間×時給で算出する方法である。

どちらにも一長一短あるが、他業種に置き換えて考えてみよう。

ラーメン屋なら、ページ単価方式の一択である。ラーメン一杯800円なら、いつでも800円でなければならない。これが時間単価方式だとすれば、今日はスープの仕込みに倍の時間がかかったので、値段も倍の1600円ということになってしまう。そんなラーメン屋には誰も行かないだろう。

逆に時間単価でなければならない仕事もある。仮にマッサージ屋がページ単価方式だったなら、ややこしくて仕方がない。肩が○円、腰が○円、首が○円と、総額を計算するだけで頭が痛くなる。だからこそ1時間○円とし、その時間内にできる限りのことを提供するのである。

WEBデザインは時価

十年前に100万円で作られたホームページも、今では30万円もあれば出来上がる。それは業界自体の成熟や価格競争もあろうが、技術革新によるところが大きい。今でこそブログなんてものは誰でも簡単に始められるが、かつては一般人には手が出せない代物であった。

今ではブログどころか、WixやJimdoなど、だれでも無料で簡単にホームページを作れるサービスがいくらでもある。それはそれで活用すればよいのだが、ひとつ注意してほしいことがある。その種のサービスはプロの業者も使えるということだ。当然、素人よりもうまく、効率的に使うことができる。

あまりにも値段の安い制作会社というのは、その種の無料サービスの延長線上にあると言っても過言ではない。業者に頼んだはいいものの、データ入力代行と変わらないレベルの仕上がりという場合もあり得るのだ。

当方、SHINTAKU。の提示する値段はそこまで安くない。しかし、その手の業者と単純に値段を比べられても困るというのが正直なところである。なぜなら、上述のような業者は各案件を単なる作業としてこなすだけであって、よりよいプランを提案したり、納品後のアフターケアや成長戦略を提示してはくれないからだ。

純粋に作業として対応すれば、顧客から提供された資料や素材に明らかな誤字や脱字、文脈にそぐわない画像などがあったとしても、そのまま機械的に流し込んで終わりである。いちいち指摘や提案をしていては割に合わない値段なのだ。どんなコトでもモノでも、値段には理由があるのがこの世の常である。

WEB制作業者の価値

これからも技術革新は進む。何もかもがより簡単に、より早く、より安くできるようになるだろう。そこでプロフェッショナルの存在意義は、総合的な知識と技術でもって最適なプランを提案することに尽きる。

見た目だけのそれっぽいものなら誰でも作れる時代なのだ。そこで我々プロフェッショナルがやるべきことは、ただ作っておしまいではなく、顧客の目的――集客、売上増、認知度アップ等――を達成する手段とその道筋を示すことなのである。

それができない業者は消えるだろう。しかしそれさえできれば生き残る。なぜなら顧客が得をするということは、顧客が業者に払う対価を得られるということでもあるからだ。それがうまく回せたなら、いわゆるWin-Winの状態となって自ずと成長曲線を描くだろう。

記事カテゴリー: 仕事