ドラッカー理論で成功する「ひとり起業」の強化書 ( 天田幸宏 (著), 藤屋伸二 (監修) /日本実業出版社)

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ドラッカーは「経営の神様」として有名だが、「未来学者」と呼ばれることもあったという。

自身はその呼称を否定しているそうだが、経済、金の来し方行く末を研究するうちに、未来が見えてくることもあるのではないか。

何を売っているのか知らない

八百屋は野菜を、魚屋は魚を、肉屋は肉を売っている。客はそれらを買うわけだが、客は本当にそのモノ自体を欲しているのだろうか。

ドラッカーは『創造する経営者』において、「企業が売っていると考えるものを顧客が買っていることは稀である」と述べています。 この一文を私たちは決して忘れてはなりません。顧客が買っているものは「不満や不便の解消」「不足の充足」「問題の解決」であって、商品やサービスはそれら問題解決の手段にすぎないのです。

極端なことを言えば、客は潰れそうな店の窮状を知って、欲しくもないものを募金的な気持ちで買っているという可能性もある。

売り手にしろ作り手にしろ、自身が扱っているモノの価値の本質を把握していることはほとんどないのである。

レッドオーシャンの海の底は青い

何かが流行り始めた頃には、その流行はすでに終わっていると思った方がいい。

少なくとも、雨後の筍のごとしだったタピオカドリンク屋なんか、真正面から取り組めば間違いなく溺れるのは火を見るより明らかだったはずである。

ひとり起業において大切なのは、価格競争に巻き込まれないことです。値決めの主導権を一度手放したら最後、市場に翻弄される経営が待っています。下請けの仕事が何かと窮屈で不自由に感じるのは、あらかじめ予算が決められていることによって、経営の自由度や選択肢が狭くなってしまうためです。これは「値決めは経営」といわれるゆえんでもあります。 では、どうしたら値決めの主導権を握ることができるのか? その1つの答えが、市場規模は小さくてもかまわないので「独占的な立ち位置」を確保することです。本書では、その状態が確保、維持されていることを「独自化」と呼ぶことにします。

大企業が薄利多売で利益をさらえるならまだしも、スモールビジネスでは絶対に流行に乗ってはいけない

むしろ自ら流行を作り出すか、徹底的にターゲットを絞ってニッチなニーズを独占する気概が必要だ。

それは唯一無二のオリジナルか

現代、商品価値のほとんどすべては横並びになり、コモディティ化(商品・サービスの無個性化)が進んでいる。

昨今のスマホ市場を考えてみればわかる。ユーザー目線で考えれば、iPhoneかそれ以外の区別しかないのではなかろうか。

「強み」を明らかにするシンプルかつ最強の方法は、「顧客に聞く」ことです。 (中略) ある税理士が「私の強みはコンサルティング能力だ」といいました。しかし、実際に顧客に話を聞いてみると「いつ電話をしてもすぐに出てくれる。そのスピード感が安心です」というのです。このように、「自分で認識している強み」と「顧客が認識する強み」は一致しないことが多いのです。

ドラッカーは「成功したイノベーションのほとんどが平凡である」と言っているが、その平凡なイノベーションを起こした人は間違いなく非凡である。

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