フェイクウェブ (高野聖玄 セキュリティ集団スプラウト/文藝春秋)

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『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ』という言葉の通り、よくそこまでやるなというサイバー犯罪の数々。

しかしその精巧に組み立てられた天才的な犯罪の奥底に、なにか新しいものがあるかというと、呆れるほど全然なくて、相も変わらず、金、金、金。

まあ、犯罪は人間のサガだと諦めよう。しかしそろそろ、人類全体がもうちょっと進歩してもいいころではないかと、私は思う。

フェイクがリツイート(RT)される確率は事実に比べて10%も高く、さらにより速く拡散し、拡散範囲も事実が1000人程度なのに対し、拡散規模の上位1%に位置するフェイクは多いときで最大10万人にまで広がるという。このことは、一度、広まったフェイクニュースを止めようと、正しい情報を後追いで広めようとしても、容易に覆すことができない状況が生まれていることを意味する。

偽のメールやメッセージだけでなく、掲示板やフェイスブックといったSNSに偽ウェブサイトのアドレスを投稿して誘導するケースなどもある。そうした際には、アドレスの綴りにあるアルファベットの「o」(オー)を数字の「0」に変えるなどして、閲覧者を騙そうとしてくる。数字の「0」ならまだ気付くかもしれないが、中にはより巧妙にギリシア文字のオミクロンの小文字「ο」で偽装している場合もあり

ハイブリッド戦のもととなる考え方は、1999年に中国の2人の軍人が発表した『超限戦』に源流があるという。そして、2013年にロシアの参謀総長ヴァレリー・ゲラシモフ氏が、2010年から2012年にかけてアラブ世界で発生した大規模な民主化運動「アラブの春」は、21世紀における典型的な戦争であり、旧来の軍事兵器を使ったものではないから軍人には関係ないというのは誤りだと指摘したことでひとつの形をみる。
ゲラシモフ氏は、旧来の軍事兵器よりも非軍事的手段による攻撃の方が効果的だとし、非軍事的手段と軍事兵器の比重は4:1で、非軍事的手段のほうが高いとしている。 (中略) 民主主義が議論によって成り立っている以上、議論が歪められたり、誤った情報に基づいたりすれば、その結論も歪んだものになるという考え方がある

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