ホームページの値段が「130万円」と言われたんですが、これって相場でしょうか? ~ネットの価格はまだまだ下がる! (竹内謙礼/技術評論社)

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企画にしろデザインにしろコーディングにしろ、WEBに関する費用を、電化製品と同じような感覚――他店より高い・安い――で判断されても困る、というのがWEBでメシを食わんとする者の本音である。

それは決してボッタクリでも詐欺でもなく、WEB制作の本質によるものなのだが、そのあたりの「なぜ?」をきちんと門外漢の方に対しても噛み砕いて説明されている好著である。

貧乏暇なしという

芸能に限らず、忙しさは能力のバロメーターとなり得る。

価格を安く提案するネット事業者は、是が非でも仕事を受けたい業者である。ストレスのかかるオーダーメイド品を「安い価格で作ってもいいですよ」と頭を下げるぐらいだから、おそらく相当仕事に困っているのだろう。仕事がないということはヒマな業者であり、ヒマということは需要がないということなので、仕事の腕が悪いケースが多い。

ありがたいことに弊社はヒマではないなのだが、それはまあ、お客様がたにそれなりに能力を認めていただいている証であろうと、手間味噌ではあるが、そういうことにさせていただきたい。

ネットがすべてではない

インターネットは成熟期に入っている。とはいえ、引き続き革新的なイノベーションが断続的に起こることは必至である。

なにはともあれ、インターネットが電気水道と同じように社会インフラとして機能している状態は、人類にとって初めての経験には違いない。

スマホが普及したことにより、〝なんとなく〟ネットを閲覧している人は 多い。PCを閲覧していた頃よりも検索している意味は薄くなり、たどり着いたホームページも無意識に近い状態で閲覧している。そう考えれば、1アクセスの価値は、ひと昔前に比べて低くなっているといえる。クリックしている意味も、キーワードを入力している意味も、ほとんどが〝なんとなく〟になっているため、これらのアクセス数をいくら集めたとしても、意識の低い人ばかりが集まるだけで、優良顧客には転換してくれない。 対して、紙媒体や街の看板からホームページに誘導した客の質はどうだろうか。広告を見て、わざわざ店名や会社名を入力してアクセスしてくる人なので、ネット広告や検索結果をクリックして来店する顧客よりも、圧倒的に質が高いといえる。〝なんとなく〟ではなく〝わざわざ〟やってくるお客様なので優良顧客に転換するスピードも早い。

現代、水道から出てくる水にじっと見入る者などいないように、インターネットはもはや空気のような存在で、ほとんどすべては気にも止められないのである。

そのため、逆転的現象として、ビラやティッシュの方がよほどダイレクトに広告効果を持つ、ということは十分あり得る話である。自戒を込めて、WEBがすべてではない

インターネットそれ自体の飽和

インターネットが特別なツールではなくなったということは、当然みなそれを販売戦略の選択肢として持っているということだ。

つまり、インターネットの世界、それ自体が過当競争の状態にあって、単にホームページを持っている、SNSをやっている、というようなことだけでは価値を持てないのである。

「地方の小さな魚屋が、ネットを使って全国に鮮魚を売って、売上を伸ばす」というサクセスストーリーは、すでに夢物語だと思ったほうがいい。現実の世界は、大企業が優秀な人材を集めて、ハイレベルなホームページを作り、莫大な広告費を投資するパワーゲームになっている。社長が夜も寝ずにコツコツと作ったホームページで、わんさか商品が売れるという時代は、もう二度と巡ってはこない。これだけネット販促にコストがかかるのであれば、小さな会社はネットビジネスではなく、新聞の折込チラシや看板を使って、実店舗にお客様を集客したほうが、まだ売上や利益は適正なものになるといえる。

インターネットが鉛筆や消しゴムのような誰でも使えるツールとなった以上、WEB業界に生きるプロフェッショナルは、それで何か、素人では及ばない、すごいことをしてみせなければならない

そうでなければ、WEBのプロの存在価値はない。しかし案外、価値のない業者は少なくないのが現実である。

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