ニュー・エリートの時代 ポストコロナ「3つの二極化」を乗り越える (中島 聡/KADOKAWA)

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どうしても先日読んだ「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」と比較してしまうが、あるいは、こちらの方がより現実味があって――実務、仕事の取り組み方などが指南されているため――響く人には響くのかもしれない。個人的には、まあ、そりゃそうだわなという常識を再確認した、というくらいか。

ウェブ上のツール・サービスであるSlack、Zoom、Google Drive などを使った仕事に慣れている人たちにとっては、リモートワークは大きな障害にはなりませんが、経団連の重鎮たちに代表されるようなパソコンすらまともに使えない人々にとって、リモートワークは致命的なほど生産性を落とすものです。その結果、彼らはとことんまでリモートワークを否定するし、たとえリモートワークをせざるを得ない状況に追い込まれたとしても、これまでの働き方を変えようとせず(労働時間を管理しようとします)、多くの人たち(おもに彼らの部下たち)を巻き添えにして、もともと低かった生産性をさらに下げることになってしまいます。

私から言わせれば、初対面の人に(相手の時間を奪う)Zoomミーティングを申し込むこと自体がとんでもなく失礼なのですが、それをまったく理解していない人が大半です。多くの人が、「リモートで働いている人たちは、ZoomやSkypeを多用しているに違いない」と考えているようですが、大間違いです。そもそも、「リモートで働く=ZoomやSkypeでミーティングをする」という発想自体が間違いなのです。 ミーティングの目的は、ほとんどの場合、情報の共有と意見交換ですが、これだけ多様なコミュニケーション・ツールが揃っている時代に、そもそも「ミーティングをすること」が本当に最適な手段なのか、ということを今一度見直すべきだと私は考えています。

日本は、先進国の中でも、労働生産性の低い国です。そして、それがいつまでたっても改善されない理由の一つが、無駄だと思いながらも、それが「昔からのやり方だ」とか「上司から命じられた」という理由だけで深く考えることなく従ってしまう、当事者意識の欠如にあります。常に「最小限の労力で最大の効果を得る」という姿勢で仕事に取り組んでください。

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