Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー (山本琢磨/秀和システム)

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WEB関連の書籍で、ここ数年で間違いなく5本の指に入る素晴らしい本。WEBに限らず、何が人を動かすのかという示唆に富んだ知見が満載である。

同じ言葉でも違う言葉になる

人にはタイミングというものがある。むしろタイミングがすべてだ。

私がティーン・エイジャーだった頃のことだ。好きな人に告白するに際して、私はよくこんなことを考えて腹を決めた。

「いつ告白したって結果は同じなんだから、早ければ早い方がいい」

正しい相手に、正しいメッセージを、正しいタイミングで、正しい方法で送りなさい。

インターコムのCOO(Chief Operating Officer (最高執行責任者))、デス・トレーナーの言葉だそうだが、まったくその通りである。

かつての私の考えは間違っていた。たとえば、今は恋人がいるが、一ヶ月後にはいないかもしれない。逆もまた然りである。恋愛に限らず、そのようなことは世にごまんとある。

急がば回れ、急いては事を仕損じるなどという。むろん、思い立ったが吉日ともいう。とにかくはタイミングを見極めることが何より重要だ。

冷たいWEBの世界で

フェイス・トゥ・フェイス、対面に比べれば、やはりWEBというツールは無機的で、冷たい印象になりがちであることは否めない。Yahooニュースのコメント欄などを見ていてたまに思うが、血が通っている気がしないのだ。

それは匿名性と、往々にしてある攻撃的な物言いのせいかもしれないが、それを差し引いても、人間味のある建設的な議論の場という感じがあまりしないのは私だけだろうか。

カスタマーサポートのメールアドレス例
support@
team@
talk@
sayhello@
happyhelp@
pleasereply@
helpdesk@
canwehelpyou@
wehearyou@

日本ではだいたいinfo@ばかりであるが、こういうアイデアはぜひ取り入れていきたい。と言いつつ、SHINTAKU。でも例によってinfo@shintaku.coなどという面白みのないアドレスを使っている。

本当はhello@shintaku.coにしようかと思ったのだが、英語を母語とする国ならまだしも、日本でこのような見慣れない文言を使うと、好感どころかスパムのように思われてしまう可能性があるのではないかと懸念したのだ。

実際はどうか知らないが、もしご意見あれば伺いたいところである。

人間とロボットの差

人がロボットみたいだと言うとき、それは機械的で、心がこもっていないということである。

では逆に人間味とはなんだろうかと考えると、ユーモアに尽きるのではないか。たとえばメジャーなメルマガ配信サービスであるMailchimpのエラーには次のようなメッセージが表示される。

Another user with this username already exists. Maybe it’s your evil twin. Spooky.
このユーザー名を使ってる他のユーザーがいます。乗っ取られたのでしょうか。気味が悪いですね。

あるいは米Yahoo!の誕生日の入力フォームに誤って未来日が入力された場合はこんな調子だ。

Are you really from the future?
本当に未来から来たんですか?

エラーという、普通であれば人を不快にさせる場面を、逆にポジティブなものに変えるというのは、非常に優れたアイデアだと思う。

他にも、該当ページが見つからない場合に表示させる404ページの活用の仕方なども紹介されており、私もさっそくそれを取り入れてみたのが以下のページである。

https://tomonishintaku.com/blog/うんこ

発想が小学生で恐縮なのだが、以上の「うんこ」の箇所はなんでもよく、とにかくは存在しないアドレスにアクセスすれば、私が異様な情熱でもって作り込んだ404ページが表示されるのである。

少なくとも「404エラー」とか「このページは存在しません」なんて突き放されるよりも、よほど人間味があるのではなかろうか。

このような発想をあなたのWEBサイトの随所に取り入れれば、ユーモアに溢れたユニークな、世界にひとつだけの価値が生まれること請け合いである。

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